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著者は,今日の日本の憲法状況を規範と現実の乖離の最も著しい法分野ととらえる.本書は,憲法の戦後30年を理論的に振り返るとともに.現代市民生活と憲法とのかかわり方を実践的に,かつ平易に説いたものである.
目次
Ⅰ 憲法と社会
一 日本国憲法の歴史的性格
1 憲法の社会的・歴史的位置/ 2 日本国憲法の歴史的性格とその特殊性
二 憲法制定手続の特殊性
1 自らの手で憲法をつくった歴史的経験の欠如/ 2 地方自治の場合/ 3 裁判の場合
三 憲法の社会的役割
1 憲法の役割の科学的分析/ 2 憲法の道具性
四 法の解釈の社会的性格
1 法解釈の社会的性質/ 2 法解釈の複数性/ 3 法解釈者の選択と責任
五 憲法解釈の対立における三つの側面
1 旧憲法的価値判断と現憲法的価値判断との対立/ 2 現行憲法に内在する価値判断の対立/ 3 憲法と安保条約との対立
六 国民のための解釈と運動の前進
1 労働基本権をめぐる論議/ 2 国民の教育権と大学の自治/ 3 環境権/ 4 その他
Ⅱ 現代国民生活と憲法
はじめに
一 憲法を殺そうとする人々――現実の動向とそのねらい――
1 安保条約と憲法の関係――相容れない二つの原理――/ 2 治安維持法への郷愁/ 3 天皇在位五〇周年記念行事について/ 4 「刑法」改正/ 5 司法研修所における差別発言/ 6 占領政策の遺物であるスト権問題
二 憲法を生かそうとする人々――現実の運動とその成果――
1 婦人の権利――形式的平等から実質的平等ヘ/ 2 生存権の拡大―― 二つの新しい権利――・/ 3 弁護士の果した役割の大きさ/ 4 地方自治を守る五つの運動
むすび