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人は誰しも,外界から区別された「私」,他人から区別された「自分」の存在とその実感とにこだわりつつ生きている.その自我の問題について,心理学・社会心理学のみならず哲学・宗教学等に及ぶ広い視野と著者独自の観点から概観した好著.
目次
Ⅰ 自己意識とは
1 人間存在と自己意識
1 実存と自己意識/2 主体としての「私」/3 自分自身の対象化/4 自己意識の多様性と異常性
Ⅱ 行動と経験における
2 自我の諸相
1 「私」の多義性/2 「自我」概念を整理する視点/3 主我と主我意識/4 自己意識と自己概念/5 仏教における我あるいは自己の問題
3 主我と客我
1 ジェイムズの自我論/2 認識論的な自我論と適応論的あるいは行動論的な自我論/3 オルポートとワイリーの所論をめぐって/4 客我システムの研究を通じて主我の理解へ
4 経験・行動・自己意識
1 環境との相互作用と自己意識/2 ロジャースの理論/3 エプスタインによる整理と「自己理論」概念の提唱/4 従来の実証的研究の主要なポイント/5 自己概念と現実とのずれ
Ⅲ 自己概念と自己評価
5 自己概念の内容と構造
1 自己意識・自己概念を構成するもの/2 自己概念の主要な構成要素/3 自己概念の重層的な構造/4 自己概念の一貫性と分化度/5 自己洞察の度合い
6 自尊心と自己評価的な意識
1 自尊心/2 自己評価的な意識/3 自己愛と他者愛/4 自己評価的な意識の内的構造
Ⅳ 自己意識の形成と発達
7 自己意識の出現と形成
1 自己意識の出現/2 鏡映像および名前を用いた研究/3 自己意識形成の主要な要因/4 両親の養育態度と自己意識との関連
8 青年期における自己意識と「自我確立」の問題/1 主体的統合機能の発達と自己意識/2 社会的な自立
参加の課題をめぐって
9 人の生涯と自己意識の成長・発達
1 自己意識の成長・発達の筋道/2 生涯の各時期における自己意識/3 自己成長的意欲・態度の問題
Ⅴ 自己と他者
10 人の社会性と自他関係(詳細略)
11 自己と他者との関係性(詳細略)
12 仮面とまなざし(詳細略)
Ⅵ 自己意識研究と心理学 ―― おわりに――
13 自己意識研究と心理学(詳細略)
自己意識研究にかんする主要参考文献
あとがき