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本書は、千葉大学文学部史学科における二つの講義の講義録をもとにしている。第一部「思想としての歴史学」は、 一九八二―八四年度「史学方法論(後期ごの同名の講義録に、別に発表した二つの論稿「現代文明批判としての歴史学」(『日本の科学者』一九八三年五号)、「人類史」と「世界史」」「歴史評論』一九八四年六月)の内容の一部をつけ加えたうえで、再構成したものである。第二部「日本人にとってのアジア」は、 一九八三年度「東洋史各論近代Ⅱ (前期ごの同名の講義録に加筆、修正を加えたもので(中略)具体的なことがらを素材として、できるかぎり平易な文章で、歴史と歴史学にかかわる自分自身の考え方を呈示しようとするところにある。(「あとがき」より)
目次(目次の1以下を略した)
第一部 思想としての歴史学
はじめに
第一章「自分史」としての歴史
一 「自分史」における価値の分裂
ニ 「自分史」にとっての戦争体験
三 価値の内在性と外在性
四 「自立した個」の歴史性
第二章 「歴史のなかにあるもの」としての個
一 過去との対話 亀井勝一郎
ニ 過去との交差 色川大吉
三 「歴史のなかにあるもの」としての個
第三章 歴史発展の法則性
一 「唯物史観の公式」の再検討
ニ 価値としての近代と没価値としての近代
三 近代の光と闇――「文化破壊」としての近代
第四章 現代文明批判としての歴史学
一 歴史認識の価値選択性」
三 「異文化」としての過去――現代文明批判の視座
第二部 日本人にとってのアジア
はじめに
第一章 「ヨーロツパとアジア」
一 共同体論における「アジア」
ニ 国家論における「アジア」
三 「ヨーロッパとアジア」――ねじれた二分法
第二章 日本人にとってのアジア
一 「後進性」としての「アジア性」――戦後民主主義期における「アジア」
二 「アジア社会停滞論」批判の方法
三 価値としてのアジア 「アジア主義」の地平
四 日本人にとっての「アジア性」―上菅孝行を媒介として
あとがき
参考文献案内
文献索引