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近代の「科学革命」に始まり,西欧が「世界」であった時代が終ろうとしている.本書は,古代文明からの世界史のタテ軸に対して,諸文明の比較という新しい観点から全地球的な世界史を描く.興味あふれる創見に満ちみちた,著者ならではの話題作.
目次
はじめに
I 比較文明論の枠組
1 文化と文明・
〝文化〟と〝文明〟の言葉の由来/cultureとcivillization/「文化と文明」の問題点
2 地球的文明史に向かって
非西欧の復権/世界史の西欧的パターン「東」―古代・中世文明の中軸/「科学革命」と西欧の勃興/十七の基本文明圏
3 新しい人類史の時代区分―五つの「革命」について
はじめに/人類革命/農業革命/都市革命/精神革命/科学革命/第六の転換期を迎えて
Ⅱ 比較科学史の射程
4 比較科学史の基礎視角
「世界の科学史」の今日的意義/比較科学史の枠組/比較科学史の方法/結び―科学のエートス
5 比較数学史への途
シュベングラー再考/比較数学史のための鳥瞰図/四つの基本的類型/数学の社会学に向けて
6 自然の概念―東洋と西洋
中国の自然概念/日本における展開/ ヨーロッパの自然概念/現代の自然観
Ⅲ 地中海世界―イスラムとヨーロッパ
7 地中海文明の構造
地中海世界の二元性/地中海世界の時代区分/(付)「文明交流圏」の設定
8 十二世紀ルネサンス―西欧文明へのアラビアの影響
ヨーロッパの転換期/アラビアとの交渉/西洋学術とアラビア/西洋文字とアラビア
9 地中海世界の風景
西地中海の旅/東地中海の船旅
Ⅳ 比較文明論の対話
10 比較文明論の建設……対談/梅棹忠雄
11 比較思想の地平……対談/中村 元
12 地球時代の文明史論……対談/吉沢五郎
結び 「世界学」のすすめ
あとがき