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経済的に豊かになり,都市化・情報化が進むなかで,大人になることの意味や教育を支える共同性と自明性がどう変わったのか.子どもの生活世界と学校の存立基盤におこった変化を現代の文化状況のなかで捉え直し,その構造的特質を解き明かす.
目次
はしがき
Ⅰ 学校化と情報化のはざまで
1章 変容する子どもの生活世界
1 子どもの腕時計/ 2 自明性の喪失/ 3 共同性の崩壊
2章 拡散する子どもの遊び
1 家の中の子どもたち/ 2 遊びの手段化/ 3 〈遊〉領域の拡大のなかで
3章 閉塞する子どもの将来
1 大人になるとは?/ 2 理念と現実のはざまで/ 3 秘儀化機能の回復/ 4 疎外された大人への過程
4章 学校改革の可能性
1 ゆとりある教育とは?/ 2 有効性感覚の教育
Ⅱ クロスオーバー型社会ヘ
5章 親の文化、子の文化
1 文化の三形態/ 2 異文化接触の諸相/ 3 異文化接触の三類型/ 4 環境変化の諸相/ 5 意味空間の変質/ 6 生活様式の細分化・制度化/ 7 教育コミュニケーションの変容
6章 学校教育における評価の構造
1 評価の日常性と遍在性――喫茶店での評価――/ 2 教育における評価の構図/ 3 教育評価の二面性/ 4 カリキュラム、教育方法、および評価/ 5 学校教育の三位一体的機能
7章 学校教育における正統性の危機――教育における人間関係の変容――
1 現代の子どもの状況/ 2 学校化社会におけるダブル・バインド/ 3 情報化社会における教育コミュニケーション
8章 〈近代家族〉の揺らぎと教育
1 家族の現況/ 2 〈近代家族〉の特徴/ 3 家族の変化と教育政策
9章 青年期構造の変容――分節型社会からクロスオーバー型社会へ――
1 産業化・学校化とライフコースの分節化/ 2 フロント=エンド型の教育制度と産業社会/ 3 一元的価値志向社会の隘路/ 4 青年文化の普遍化とモラトリアム志向の常態化/ 5 分節型社会からクロスオーバー型社会へ
10 章 コミュニティと教育――アーミッシュの教育と文化を手がかりに――
1 アーミッシュの文化と生活様式/ 2 アメリカ学校教育の集権化・官僚制化/ 3 学区の統廃合と住民の利害/ 4 近代的制度としての学校教育/ 5 小宇宙としての学校とアーミッシュの若者期/ 6 産業社会を志向する〈学校〉とその矛盾/ 7 生活世界の変貌と教育の適切性/ 8 教育における〈コミュニティ性〉
初出一覧