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本書は、(中略)化学を中心とした新しい「手法」と、その応用で得られた考古学の重要な「成果」のいくつかを併せて平易に解説したものである。考古学と化学の結びつきという視点では、前二書の延長線上にあるといってもよいが、本書は決してその続編というわけではなく、内容も執筆陣もまったく新しい構想のもとに企画された独立の読物である。(「まえがき」より)
目次(各章の目次の一部を省略した)
第1章 ― 歴史科学と自然科学のあいだ
一 歴史科学への道程/二 新聞記事と自然科学/(以下略)
第2章 ― 化学と考古学の接点
一 化学のはじまりとクラプロートの遺物分析/二 考古学のはじまり/三 モースと日本の考古学/(以下略)
第3章 ― 考古学における14C年代測定 高精度化と信頼性に関する諸問題
一 日本最古の土器をめぐって/二 14C年代から実年代へ/三 実年代の高精度化をめざして/(以下略)
第4章―日本列島に原人は存在したか(一) ルミネッセンス年代測定法による検証
一 はじめに/二 光る石と放射線/三 ルミネッセンス年代測定の原理/(以下略)
第5章 ― 日本列島に原人は存在したか(二) 古地磁気からさぐる
一 昔の地磁気をさぐる古地磁気学/二 地磁気とその変動/三 地磁気の逆転とエクスカーション/四 ブルネ正磁極期中のエクスカーション(以下略)
第6章 ― 日本列島の旧石器時代入骨はどこまでさかのぼるか 化石骨の年代判定法
一 はじめに/二 骨の年代判定法/三 日本の旧石器時代人骨とその年代/四 日本の旧石器時代人骨の編年――現状のまとめ
第7章 ― 中国古代文明をさぐる 鉛同位体比による研究を中心に
一 三代の遷都と青銅原料の産地―K・C・チャン教授の仮説/二 殷墟青銅器から発見された「高放射性起源鉛」――銅、錫は中国西南地区から?/(以下略)
第8章 ― 先史人は何を食べていたか 炭素・窒素同位体比法でさぐる
一 発掘でわかること、わからないこと/二 新しい食性解析の方法/三 現代人の食生活を再現する/(以下略)
第9章 ― 日本のイネはどこからきたか DNA解析
一 はじめに/二 イネの最初の渡来/三 遺伝子に刻まれた縄文稲作/四―一四 (略)
第10章 ― 皇朝十二銭の原料をさぐる 元素分析と鉛同位体比分析
一 研究資料としての銭貨 /二 古代銭貨の材質/三 鉛同位体比分析(以下略)
第11章―文化財保存とオゾン層破壊 臭化メチル殺虫燻蒸に代わる方法は?
一 成層圏のオゾン層破壊と臭化メチル/二 臭化メチル燻蒸に代わる方法/三 低酸素濃度処理/(以下略)