本書は心理学者である西田隆男氏が不定期に行う、心と身体の関係に焦点を当てた気功講座をまとめたもの。十代から武術や気功を実践し、心の不調を身体から改善する信念を持つ著者が、その成果を心理・教育臨床に応用。その心理学的視点から気功の効用を二つ挙げています。一つ目は、心を現在の状況に対して最適化できること。例えば、怒りが湧いてきたとき気功の呼吸法を行って怒りのエネルギーを逃しすことができます。二つ目は、心を強く柔軟にするために、身体からのアプローチによって「歩く」「走る」「ダンスする」「歌う」「泳ぐ」「ジャンプする」「山登りする」などの具体的な動作で心をコントロールできます。この実践気功講座の今回のテーマは「歩く」こと、とくに江戸時代の歩き方に注目。〈江戸歩き〉で身体の中心感覚をつかむ方法を伝授しています。「ストレスなしの生活は不可能だから、むしろストレスを活用して気功の上達を目指すという逆転の発想をしてほしい」という著者が、日々のストレスに対処するための最適な方法の一つとして紹介した心と身体をつなぐ気功の入門書。