妻子ある男を愛したのが悪いのですか?
真面目一本に暮らしてきた北川由起の初めの恋だった――
相手は職場のハンサムな上司。相手は結婚しているんだもの。ただ思うだけでよかった――
そう思っていたはずなのに。一線を越えてしまったのが生き地獄の始まりだった。
「一体いつ奥さんと離婚するの?」
2度の中絶。しかもあの男は中絶したばかりの私に、妊娠中の妻を紹介したのよ!
不倫がバレて、あの男の妻に責められたときの言葉が忘れられない。
「生きた子供を平気でお腹から掻き出すような人なのよ!! あなたは!!」
私は灯油を抱えて、あの男の家に忍び込む――