神父のロース、新興宗教に洗脳された盲信者のリブが出会う。いきなりヘビーなスタートで、リブは洗脳されていて救済なんて出来そうもない。しかし、神父のロースはどうにかしようと手をさしのべる。最初は職業柄の義務感からだったけど、リブを知るうちにロー
スも次第に変わっていったように思う。警察へ告発し、リブを解放してからは更に個人的な感情が隠しきれてないように見える。ただ、リブは神様を転々と変えては盲信することで生きてきたので、自分で考えるより全て指示してくれる神様を欲しがる。その方が楽だから(自分で考え行動するのは堪らなく不安なんだろう)過去のリブの神様や頼りにしてた相手も指示をくれる人だったし(おそらく姉ですら)終わりに、リブは自分から望みを口にして『どうやったら好きになってもらえる?』って聞いてるけど、ロースはそれには明確な解答をせずにいる。たぶん、答えは自分自身で見つけるものだからだ。そのシーンでロースが本当にリブを愛してるんだなと伝わってきて『尊い』ってなった。書き下ろしではリブにもっと広い世界を知るように促し、学ぶ機会を提示してるけど、最後のロースの一瞬の躊躇いに恋慕の情を感じた。自分がその気になれば一生そばに置くことも簡単だけど、それをしないのは、広い世界を知り自分で考えて答えを出して欲しいから。神様じゃなく、リブ自身の答えが聞きたいから。全て知った上で自分を選んでくれたら嬉しい。それがロースの愛し方で、信仰で、エゴなのかな、と。本人の希望にかかわらず、自由を与えて選択させる。1番優しくて誠実だけど、1番厳しい!リブへの最後のロースのささやかな望みが切なく染みます。リブが自分で答えを導き出せますように祈りたい。2編目は不思議なお話。この作者様の、地に足着いてる筈なのにどっかに連れ去ってしまいそうな話運びは何だろう。呑気に歩いてたらいつの間にか薄闇に掻っ攫われる。闇じゃなく薄闇ってとこがポイント。ちょっと不安だけど地面見えてる感じw最終的には色々あったけど幸せ〜が基本なので、安心して読んで欲しい。セール中!
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