表題作『半壊の花』他三編収録の短編集。いや凄かった。どのお話も短編とは思えない濃密さです。それぞれに味わいも抱く感情も異なりますが、どれも独特で優しくて読後の余韻が心地良い。徐々にいろんなことが明らかになっていくので、そうなんだ…と思いなが
ら読み進める楽しさと、読み返しては噛み締める楽しさを味わうことができました。私は割と読みながらこうかな?ああかな?と想像してしまうのですが、まぁ恋心は間違いないとして 特に表題作と二作目は見当違いも甚だしかった笑。展開が興味深く素晴らしいです。ただ 双子の知り合いが何組かいますが見分けられないとかないんですよね。存在を知ってるくらいでは無理でも少し親しくなれば顔の判別はできる。むしろ似てないとすら思う。関心がない設定ではないと思うし、親もわからないなんて…。入れ替わり系のラブコメは楽しく読めるのですが シリアスなのは初めてで。わかります、そういうことじゃないのは重々承知ですが どうしても気になる… 皆さん絶賛なので私もどっぷり浸りたかった。
『嘘つきたちの食卓』が一番好きです。面白い 切ない やっぱり面白い。ちゃんと全部綺麗に繋がって、ストーリーがよく出来てる。もちろんどれもそうなのですが、このお話の楽しいだけじゃないってところが凄く好きです。
『稲穂に帰る道』も本当に良かった。現在の二人を描きながら、二人が歩んできた時間を時折挟む構成がたまらない。何とも言えない感情に胸がぎゅーっとなりました。続きの『稲穂につづく道』がまた素敵で…。それぞれの「その後」が嬉しいですね。えっ え?えっ?やっぱりこの二人好き笑。
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