トンでも男が集まったようなセット。テーマからして仕方がないが、それにしても、という感じである。
身体は欲しいがいつでもポイ出来る位置で、相手の弱味につけ込んでキープ。ちょっと未練が出て少しグスグス・・・。
仕事をやめさせられたり、職
場を潰され(確定的に)たり濡れ衣を被せられたり。冗談じゃない。HQお手のもののストーリーとはいえ、それが纏まっていると、この一冊を手にした自分の胸にフラストレーションが頁を追う毎に高まっていき、やり場のない怒りが結末を迎えても解消しきれず燻る。
最も仕方がないと情状酌量できそうなのは「真夜中の訪問者」の彼か。けれど、やることに情け容赦を感じさせることなかったのも彼だ。
最初の作品はHQの誤解型典型だが、埋め合わせるシーン無く、彼がいくら素敵でもそこは最後まで私なら許せないだろう。買い物シーンも虚しい。
最後の「盗まれたのは心」に至っては永久にサントリーニ島に行かなくていいのに。町ぐるみ、家族ぐるみで酷かった。
HQで数えきれぬほどその愛人契約なるジャンルを読んで慣れてきたつもりだったが、なんだかここへ来て、一生見なくてもいいかも、くらいに食べ飽きた感。
愛人とは、男の狡さの極み、であり、3作品の内容で言えば、いずれの男性も皆一様に自中以外の何者でもない。
なのに、面白いようにヒロインは彼に疑われても彼のことを好きというマゾばかり。
「脅迫された愛人契約」の、携帯電話の件はそんなことあるかな、元の所有者は対処しないのかな、と謎の取り違え事件である。
星合先生以外の先生方は生硬なラインが多くて登場人物が絵的にこなれてないように見える。
背景も何となく物足りない。
「盗まれたのは心」は、ヒロインの気高さに周りが不釣り合いだが、人を許すという恋愛ジャンルでない感情で骨太ストーリー。なぜこれ以上ない仕打ちを受けたのに4年ずっとぶれずに好きでいられるのか仏のヒロイン。身内の犯罪というもうひとつのテーマを、和解に結び付けて話に一貫性。
それにつけてもよそ者を嫌う偏狭なムラ社会が醜いものを見せつけられた感じ。
それと挙式中夫が妻から知らされることもタイミングに疑問。
HQはメイン二人の外見が物語の相当を占めている。
チャーミングな外見が必要だ。愛人でもなんでも会えてしばし良かった、的な。そんな、ウットリ場面あると人柄悪くても目つぶってしまえるというかー。
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