表題作品【花】結×綾含めた、【記憶】【海】の3作品収録してました。
現代の話的には、フィクションとして捉えられる魔女の血を受け継ぐ者達のお話ですが、最初に収録している花を題材にした物で、祖母が魔女という結が、祖母が亡くなって悲しくて泣いて
いたら髪の毛の色が黒から金髪に変化していきます。
その様子を目の前で見ていた幼なじみの綾は、びっくりしてしまいますが、結の事を信じて接してくれます。
優しいですね、綾は。そんな綾だからこそ、結も彼をずっと好きなんだと思います。
最初は、結はその力を制御することが出来ず、雨が降ったり髪の毛が伸びたり、色々な事がおきます。
でも、結はイギリスに行くことになってしまったけど、綾には告げてなかったので、綾がどうして言ってくれなかったのか問うと、綾が好きだったからどうしても言えなかったという。
離れたくなかったから、言葉として発することがいやだったんですね。
他のお話は、記憶のお話が結構不思議な作品でした。
男娼が魔女なのかな?記憶を操るみたいだけど、結構エロチックな部分もあります。
最後の海のテーマのお話は、水の中でも息が出来る事を小さな頃に気付いた兄弟の弟のあおいが、兄のなぎさが何でも器用にこなし、劣等感を抱かせてくれたので早く自立して家を出たかったという事実を、兄が自分がいる海外のリゾート地にきて再会した事で思い出すのですが、何故兄はこんなところにきたのか?という問うと、母が亡くなってしまったという。
何故早くそれを言ってくれなかったのか?と問うと、あおいが自分達を避けて出ていってしまったのに、あおいの居場所を探すのにも大変だったけど、場所を探す余裕がない間に亡くなってしまったと云われて絶句するあおい。
避けていた自分のせいと気付き、泣き伏せるあおいに兄は寄り添う。
海で母の遺骨を散骨するシーンがとても印象的でした。
海の魔女という母。だから、海に還してあげたかったんですね。
それぞれ魔女に纏わる人物が出てきて、テーマを元に作られた作品でしたが、お話的には短めなので、特に記憶のお話がちょっとだけ?な部分があったりして、そこが心残りでした。
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