全6巻、各巻220ページ。
デフォルメが効いて、大勢の登場人物の見分けもパッとつく絵柄は価値が高い。大航海時代の末期、実在の人物ダンピアを主人公とした私掠船での冒険。合間に挟まれたコラムも興味深く、とても良い学習漫画だと思います。おいしい
……かどうかはともかく、かなり色々食べていておもしろいです。ダンピアという人は、とても好奇心旺盛だったようですね。たぶん実際にはけっこうトンデモな人物だったんじゃないかなと思いますが、作品上では絵柄のかわいさも手伝ってマイルドな感じです。エピソードの演出も、基本的にやさしい方向でマイルド。
知識の入り口である学習漫画としては、そのマイルドさも含めて良いと思います(ただしあくまでフィクションなのでそこには注意)。
創作作品として見た場合は、当時の感覚に寄せると言うより、現代の感覚からキャラクターを動かしている印象で、自分の好みとは違います。それでも、ダンピアの未知への探究心にぐいぐい引っ張られ、最後まで楽しく読めました。
岩波文庫から、この作品の元となった『最新世界周航記』が上下巻で出ており、是非読んでみたいと思いました……電子版が無いのが残念です。
そして、絵柄や海賊船という舞台から、昔のアニメ『宝島』を思い出しました。そのオープニングテーマがとても似合うので、その言葉で〆とさせていただきます。
「ただ一つの憧れだけは、どこの誰にも消せはしないさ」
もっとみる▼