このレビューはネタバレを含みます▼
『citrus』10周年を機に刊行された本画集は、柚子と芽衣という二人の軌跡を視覚の連続詩として再構築した一冊
初期のぎこちなさから、互いに寄り添う関係へと変容していく息遣いまで、時系列を超えて並置されたイラストが、作品世界の深度と情感の厚みを静かに語り出す‥
コミックス未収録のビジュアルや店舗特典、アニメ関連稿までを射程に収めた網羅性は、単なる記念本の域を超え、シリーズの文化的アーカイブとしての役割すら担う
さらに作者の回想コメントが、創作の裏側と当時の空気感を精妙に補強し、新たな地平へと導いてくれます
長年のファンにとっては感情の再燃、新規読者にとっては作品宇宙の確かな入口となる、まさに保存すべき証言と呼ぶにふさわしい仕上がり