純愛劇画界№1の上条達彦。裏の顔は、責め絵師・沢渡幻愁である。夢二が『お葉』と呼び、晴雨が『兼代』と呼んだ、昼は淑女・夜は娼婦の理想の女を捜し求めて、今日も街を流離う。責め画の蒐集家・丸山が、絵を描いてくれと自分の調教した女・静香を送り込んできた。だが静香は、金で縛られているだけ、真性のマゾではなかった。幻愁は五千万円で丸山に絵を売り、静香を解放してやる…。ロマンSMとも言うべき逸品、「縄の女」他に「京都の女」「三人の女」「女流漫画家」「女性評論家」「新宿の女」(前後編)「裸の令嬢」「主演女優」「喪服の美女」を収録。