他のHQを読むつもりでいたのに、ちょっと立ち寄って少しパラリと試し読みしたら抜けられなくなった。つかみのたった数頁で、もう既に全部読む気になっていた。
話への引き込み方の巧みさ。原作は読まないので、これは長崎先生のコミカライズの絞りのうま
さなのか、元のテイストを尊重した結果なのか、一体どちらなのだろう。
サスペンスがかった穏やかならぬ空気と、その正反対ともいえるヒロインの柔らかさとが、話の間に断片的描写で共に示され、ヒロインはどういう人物なのか、最後まで興味を繋ぐ作り。
そちらの緊張感がロマンス成分を削いでしまったが、ヒロインの人生が、まさにこのナニーの職を得る為の第一歩で変わったことを見せてもらった。
絵柄のインパクトが少し負けている。
占いのシーンも、凄みや戸惑い等がもう少し欲しかった。夢幻場面はもっとアート味に仕立てる方が割り切れたかも。
彼の心理描写、ビジュアルでも熱いところを見たかった。
意欲作という感じで、テリー・ギリアム監督的要素消化必要?
マイラの登場が前半に偏った感あるが、ヒロインの味方の新旧交代とはいえ、なんとなく置き忘れた気がしてしまう。
メインキャラ二人ともペニーちゃんの笑顔を本当に喜べる人柄でいることを中盤ではっきりさせていて良かった。
昔のことだが、若い頃に親しくなった私の友には、それ以前に自ら死を選んだ親友がいた。その親友は、ヒロインの母みたいな社会では高名な「先生」である実母の(ストーリーでは養母だが。ただ、話してくれた友人も、きっと本当のお母さんじゃなかったんじゃないのかなぁ、とは言っていた。)仕打ち?冷酷な扱い?に苦しめられて。そんなショッキングな出来事を聞かされたことを思い出した。
ハーレクインには、沢山、子どもに愛が注がれ足りないケースとか、子どもを育児放棄する養育者が登場するが、親にしっかり報いを受けさせないことが多いことが、私には不満だ。(これは親子問題の比重に負けずに親友との事件があるので仕方ない面はある。窓を開く場面の多さで、過去との一定の区切りと、繋がりとが暗に描かれているようだ。)
現実社会、無傷か又は軽い裁きで済んでしまっているだけに、せめて夢と希望のHQではそこは必罰を期待したいのだが、限りある紙幅から、読後気分複雑〜。
さて、私も、この邦題がいいと思います。(yyさんのいう通り!)
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