「空と海のあいだ」を読んでとても良かったので、他の作品一覧で本作に興味を持って読んでみることに。
同じ作者の作品とは感じないくらい、絵は別の人の作品みたいだけど、共通しているのは人の想いの普遍的であることや尊さを丁寧に描いているところ。
戦争が背景にあるからもちろん綺麗事ばかりでは済まないけど、芙美子を中心に人物描写がとても魅力的で、どうか少しでも救いのあるラストを祈ってしまいたくなる、そんな登場人物たちに惹きつけられる。
今作は広島が舞台なので待ち受ける先に原爆があることは読む前からわかっていても、決して悲惨なだけではないし目を背けたくなる絵はないから、余計に芙美子たち家族の絆に感動させられた。
戦争が進むにつれて暗くなる世相の中でも、常に家族の愛情の深さや明るさがある。
こういう作品を通して、二度と戦争はしてはいけないと改めて感じると共に、家族や大切な人達との何気ない日常を丁寧に生きなきゃと思わされた。
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