完全なる傍観者になるために友達も作らずいつも一人でいる中学3年生女子が、クラスや学校で起こる愛憎渦巻く人間関係をじっくり観察するお話。
親の仕事の都合で転校ばかりのかのこ。傍観者になるという考えも、そのために友達を作らないという考えも彼女
なりの生きる知恵なのかもしれません。でも、面白いのはその傍観者としての生き方を存分に楽しめる前向きな性格。誰にも媚びず、損得勘定なしの生き方が読んでいてスカッとします。そして、傍観者と言いつつも、曲がったことが大嫌いな性分でズブズブに足を突っ込んでいく、中学生らしい一生懸命さが魅力的だと思います。
また、一人だったかのこの友達として、長く付き合ってくれる桃ちゃんや椿くんの存在が、かのこの生き方や考え方を変えていくところも見所です。人との深い関係を作らなかったかのこが、深く付き合うことで学んでいく人間関係の相互理解により人として成長していく姿がまさに青春。充実した日々を過ごしているなと感じました。
とても学生らしいお話が詰め込まれた物語だと思います。
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