「ただいま、おかえり」シリーズ第3弾、Ωの友人ができ、仲間の輪がより広がるお話です。
Ωの友人望月家との交流を描いた3作目。今まではΩということで真生に差別の目が向けられていましたが、逆にΩの友人から弘や輝が拒絶されるという新しいパターンが描かれています。
αとΩという異種間結婚の壁に再びぶつかった藤吉家。Ωの世界で暮らしてきた望月さんにとって、αの人たちとの交流にそれなりの覚悟が必要だったのには理解出来ます。それでも、再び輝の真っ直ぐな気持ちが大人の心を動かしていく様子に、一生懸命さが伝わり泣けました。毎度思いますが、いちかわ先生の言葉のチョイスが素晴らしいと思います。
真生以外のいわゆる一般的なΩ視点での気持ちが描かれたこと、また、松尾と祐樹の関係が気になるような変化を見せ始めたことで、オメガバースの世界の理解がより深まりました。全員が妊娠出来る世界だからこそ、男女の種別もオメガバースの種別も関係なく恋愛が出来る世界。だからこそ、よりその人自身を純粋に見つめ、愛することが出来るんだなと思いました。松尾と祐樹の進展にも期待したいです。