ジャンプマンガと歴史モノって基本的に相性悪いだろうという先入観がこの作品を見るまであったが、とんでもなかった。
一次資料を深く読み込み研究したであろう上で、そこから話やキャラに松井先生が膨らませて味付けして見事に少年ジャンプの少年マンガになっていてビックリ!
そのおかげで歴史マンガにありがちな話が難しい、登場人物が覚えにくいということはなく、特にキャラは史実ベースから特色のところを膨らませて個性付けしているので皆一様に覚えやすい濃いキャラばかり。
話のテンポもよく、歴史モノである以上は最終回がどのあたりかも予想がつくが今のペースで進めば変に長くなりすぎるということもなくまとまりそう。
このレビューの時点でまだ15巻だが、その中でも心震える名シーンも複数あり、歴史モノはちょっと…と敬遠しがちな人にも、少年マンガとして是非オススメ!
【完結したので追記】
歴史モノというストーリーの大元を変えようがない元ネタながら素晴らしい話の展開とラスト。史実とマンガとしてのエンタメの融合が他に類を見ないほどの完成度でした。
昔の人は我々が思う以上に合理的で、だからこそ歴史は必然の連続。そこの話の展開を無理にいじると必然性を失うことにより説得力と面白さを損ねる場合がほとんど(大河ドラマ豊臣兄弟など)ですが、逃げ若はマンガとしてのエンタメ部分も、むしろ史実の必然性を補強するかのような松井先生の味付けでした。
北畠顕家があらゆる漫画作品のキャラクターの中で最も好きなキャラとなりましたが、主人公の若も誰よりも仲間思いの性格と逃げ上手な特性のまま頼もしく成長し、大人になるにつれ決めるべきところは戦いでも恋愛でもビシッと決めてくれ話の主役として非常に魅力的で惚れました。