ネタバレ・感想ありあゝ、荒野のレビュー

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落胆を禁じ得ない
2025年7月29日
健在の数少ない巨匠バロン吉元の最新連載は寺山修司の同名小説を原案にしている この小説は何度もメディアミックスされておりそのたびに設定が違う
そしてバロン吉元版も、主役の二人のうち捨て子で拾われた新宿を苗字に呼ばれる新次の他は大幅に設定が違う
もう一人の人物は吃音に悩んでいる所くらいしか人物像に共通点が無く、理髪店で働くためにバリカンと呼ばれる荒木繁という青年である
新宿とバリカンは同じボクシングジムで一緒にボクシングを始めて友人となっていく、彼らのビルドゥングス・ロマン、だとばかり期待して読み始めているとどうも様子が違う
暴力団や愚連隊、ついには新左翼まで登場していき放火や轢き逃げで殺される学生まで出て来る

バリカンは自分を頼って上京してきた父母と弟を養うために理髪店のみならず暴力団に雇われる事になる
その暴力団たちは外道であり学生を殺しバリカンが世話になったサーカス団を放火する こんな連中と付き合っていたら危ない
そしてバリカンの家族は何とスーパーマーケットでの万引きを面白がってやるようなろくでなしどもだ
新宿は新宿で、悪漢の怨みを買い付け狙われている
緊張感が漂い続けておりどの話も爽快感が無い
端的に言うと今のところ期待外れだ
もう少し言うなら、遺作がこれになったら悲しいから早めに終わらせて別の作品をバロン吉元先生に描いて欲しい
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