好きとかそういう単純な思いだけじゃないような気がしました。多感な時期、恋愛や友情はもちろん、必要以上に自分を責めて思い詰める翔の儚い描写や、自分以外の誰かを救いたいという正義感にも似たような菜穂の姿に、何かが心に真っ直ぐに刺さってはやんわりと溶けていくような感覚を覚えました。死ぬことをひとつのテーマとしてあげられている以上、誰もが読むことに気が引けてしまう、ハッピーな終わりではなかったとしたら読んだことを後悔するような気がする。それでも、こんなに切なくてやりきれない、そうした気持ちがこうした漫画を通して心に生まれるのなら、わたしは読んだ方がいいと思います。少しの間だけでも、日常では普段感じ得られないその感情が自分の中に変化を教えてくれると思うので。わたしも17歳に戻りたい。
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