家族、ファミリービジネス、企業買収。中身は各材料が立体交差しているように絡んで高密度なのに、絵が淡白で奥行きが小さい。人物の年齢幅も視覚的バリエーション乏しく、一人一人の人柄面の個性も弱い。117頁下のコマの顔と首から下の接続が不自然過ぎる
。
各登場人物に背景があり、手際よく語って話はいいのだが、各人の関係の中での各人の環境に「偶然」要素強く説明力弱い。それに、二人が親しくなる過程描写が付け足しのように入っていて、時間経過感覚が曖昧。
主要株主は二人、買収で過半数を彼が握っているなら、沈黙も何も無いと思うが?
HQはロマンスが主軸だから、二人の場面が大切なのに、彼女を気に入った彼の関心は分かるが、ヒロインへとデートを繰り返す程の熱は見た目あまり伝わって来ない。ヒロインの会社を愛する気持ちと彼を好きになった感情の入り交じり方など、私には自然な熟成を感じ取れなかった。
ブローチシリーズとか、アンバーハウスのー、とか、姉妹作品が有るなら繋がりを明確にすべき。
私には同じシリーズの他作品は分からなかった(未読のまま)。
HQはしばしば販促の手抜かりを感じるのだが、基本姿勢に親切さが足りないのに、読者居ることに安住している。HQコミックス読者は確保できているからと価格設定で殿様商売するなら、せめて内容がシリーズとなっている企画物の扱いは、商品を手に取る人のことをよく考えて欲しいものだ。
本作ではないが、誤字は多い、水準の低い担当漫画家選定多い、安易なパッケージ化による強引なまとめ売り多い、シリーズ物の売り方にばらつき多い、など、改善の欲しい課題はたくさんある。
現時点私は1100超レビューしたが、うちHQは1000位かと思う。価格に見合った内容のHQは残り少ないと感じる。
7000冊超のHQコミックス、頑張っている作品の割合を増やすべきではないのか?
例えば映画料金の半分、三分の一なりの中身は必要。
無料分だけの読者と同一の立場もおかしい。
本作は損をしたとまで思えるほど悪いとは思わない。
そろそろHQは読めるものが少なくなったことを残念に思ってのこと。星数最低の一つというのを、私がそこまで悪くなかったと思う作品に付いてあるのを見かけることがあるが、値する作品は外に、それこそ夥しくある。自分の気に入らない立ち回りをするキャラ(「設定」上)がいるからと最低に落とされているのは気の毒だと思っている。
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