藍川京作品の愛読者であるやなぎやこ、本作はその藍川女史が解説を務めている関係で、番外編的にレビューします。
藍川作品に目が慣れたやなぎやこ、本作の第一印象は文体がフレッシュで若々しい、というもの(お断り:何も藍川氏や他の書き手の作品がくた
びれているということではありません)。
主人公は美人のスチュワーデス、もといキャビンアテンダントで、後輩CAからの思いもよらない相談を、場当たり的ながら処理するところから物語が始まります。何しろ著者は元CAというだけあって、ディテールが鮮明に描かれていて、リアルと虚構が巧みに織り交ぜられた上質のエンターテインメント作品に仕上がっています。藍川氏といい、本著者の蒼井凛花氏といい、暴力的にならず、表現も飛躍し過ぎない点が女流作家の共通の特長かなと思いました。
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