18歳の誕生日を迎えたイゾベルのもとに一人の男が訪れた。ラファエル・ロメロ――傲慢で血も涙もない実業家。そして、イゾベルがまだ8歳のときに両家によって定められた許婚。彼の経済的支援がなければ、彼女の家は破産の憂き目にあう。3年後の結婚を冷たく念押しするラファエルに、イゾベルは言い放った。「あなたと結婚するくらいなら死んだほうがましよ!」言葉どおり、その後に家を飛び出しパリへ逃れた彼女は、つつましくも自由な生活を手に入れ、3年の月日が流れた。今日は21歳の誕生日。不吉な予感に振り向くと、ラファエルの姿があった。ああ、逃れられない運命なの? イゾベルは愕然として彼を見つめた。■人気急上昇中のアビー・グリーンが描くヒーローは、すべてを兼ねそなえた成功者である半面、心の奥に深い傷を隠し持っています。本作のラファエルが傲慢な顔の下に隠す知られざる過去とは……?