こちらの作品が直木賞を取った頃のことを覚えています。さすがに二十年くらい過ぎてしまうと時代を感じますが、女性心理を的確に捉えていると思いました。萌とるり子のキャラクターは長所も短所も共感でき、男に寄りかかっているようでいないところに好感が持
てました。ただ、男性キャラの柿崎はドラマによくいるステレオタイプであまり現実味が感じられなかったですね。いかにも女性が考えた男性で、生々しさがないというか。「こんな人いるのかな?」と思ってしまいました。ただ、とにかく読みやすく軽快で面白かったです。結末はビターですが、変に上手くいき過ぎるより、萌とるり子が選び抜いた感があって良かったです。内容がカラッとして明るいので、表紙が地味なのがミスマッチですね。なんだかホラー小説みたいなので(笑)、内容に合ったものをチョイスして欲しかったところです。
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