いつだって真っ向勝負、エネルギッシュな変わり者・恵子おばさんに導かれ、札幌の児童養護施設「魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)」の中学生たちが厳しい現実と向き合いながら伸びやかな成長を遂げるさまを描いた、第26回坪田譲治文学賞受賞『おれのおばさん』シリーズ第3弾! 高校進学を機に札幌を離れ、仙台の高校の寮に入った陽介。当初は横領罪で服役中の父のことを隠し控えめにしていたが、政治家の息子、中国人留学生、芸大志望の変り種など多彩な顔ぶれの同級生たちと生徒会選挙や学園祭の準備を通じ、次第に深い絆ができあがっていく。しかし学園祭当日、東北地方一帯を大地震が襲う。さらに、父が出所したという知らせが届くが――。表題作ほか、恵子おばさんの誕生日の一日を描く書き下ろし短編「あたしのあした」を収録。