初期作品の多く見られる、男性読者を強く意識した過激な内容の長編である。一冊のボリュームを持たせるためには致し方ないか、”ノーマル”、”ほのぼの”といった内容で終始させて欲しいというやなぎやこの願い叶わず、継子との許されぬ関係を許したヒロイン
は、先に進むほどに非情な倒錯の世界の住人達にその美体を絡め取られていきます。中期以降の雅でやさしい文体の藍川作品を愛する読者に対し熟考を期待する。なお本作は前身が「濡れた下着の継母」なるタイトルでフランス書院より刊行されているのでその点もご注意を。
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