新聞社シリーズ2作目。小説は漫画と比べて読むのに時間かかるのでレビュー頻度落ちてます。特に一穂先生の作品は地の文があまりなく会話で繋いでいくことが多いので、関係性の中の言葉遣いで誰が言ったかを理解しながら読みとく必要あるからかも。
前作
is in you はかなり王道のBL小説でしたが、ひゃー、2作目は全く違う作風、アラフォー男女男、もっと言うと男女男女男の大人の不器用な五角関係を描いた素晴らしいほぼ一般小説(軽いBLでは全くない)です。作者さんは複雑な関係性を書きたかったのでしょう、前作で見事にフラれた密(佐伯)と幼なじみの良時、それに密の妻で良時の妹の十和子の3人、幼い時からの友情と言葉にできないままならない想いと歪な関係が回想を交えて語られます。ぜひ、前作 is in youから読んでもらいたいです。前作収録の番外編is in me の裏で起こっていることがわかります。
オジCPってBL漫画だとどちらかといえば苦手なんですが、BL小説として読まずに一般小説として読めば苦い苦しい三角関係の果てに大人の男と男がくっついただけのこと。タイトルのoff you go は行って、行けよ、行っちまえ、の意味。作中繰り返される言葉です。手を離してここから何処かへ行ってほしい。前作のように何処かへ帰るのではなく、密は行って着く場所へ。
小説のレビューって同じ伝達手段の文章で書かないといけないのでいつも難しいのですが、普通のBL小説とは一線を画して読み応えのある作品なのでぜひぜひご一読を。読めば直木賞ノミネートされるに充分な力量を持った作家さんだとわかります。明日受賞作発表ですね。どうなるかな。。。
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