為政者たちが巨大な公共施設をつくりたがるのは、いつの時代も同じこと。中世において、権威の象徴は「道」であった。「道」の平和を守るため、武士たちはあらゆる掟を連発し、「道」を有効活用するために、住民たちはしたたかに対処した。
【目次】
第一章 “武士の都市”鎌倉の掟
鎌倉幕府の法
しつこく出された道の掟
犯罪の取り締まり
庶民の娯楽はどこまで許されるか
武士は武士、坊さんは坊さんらしく
第二章 御家人・戦国大名の掟
豊後大友氏と『新御成敗状』
下野宇都宮氏と『式条』
下総結城氏と『新法度』
第三章 道路掃除の掟
道路へのこだわり
道路掃除はだれがするのか
聖なる空間
巨大な道路は権力の象徴