太宰治の中期を代表する作品の1つで、最初の書き下ろし長編となった『新ハムレット』は、1941年7月2日、文藝春秋社から発行されました。同年2月から5月まで、かなりの意気込みで執筆されたものです。ITmedia 名作文庫では前記文藝春秋版を底本に、巻頭にミニ解説(「かすかな室内楽」としての小説:北条一浩)を収録しました。2010年の常用漢字改定に照らし合わせ人名ともに現代仮名遣いへ改めるとともに、常用外漢字にはルビを振り読みやすくした縦書版電子書籍です。
目次:
はしがき
新ハムレット
一 エルシノア王城 城内の大広間
二 ポローニアス邸の一室
三 高台
四 王妃の居間
五 廊下
六 庭園
七 城内の一室
八 王の居間
九 城の大広間
著者・解説者紹介
著者について:
1909年6月、青森県北津軽郡金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東京帝国大学仏文科中退。1935年「逆行」が第一回芥川賞候補になる。1936年第一創作集『晩年』刊行。以後、「女生徒」「斜陽」「人間失格」等著作多数。1948年6月没。