合意無き事であり、職場に於けるセクハラにも通じ、斜めながらもある程度上下関係も伴うということは、うっすらパワハラっ気も。そんな事が、警戒、敵意、不信、誤解等々ハーレクイン要素に挟まれて起きる。抗えど抗えど、彼の生身の迫力の許に陥落。気難しく
お堅く、前半の彼女の拒絶モードはキツイ言葉や態度で鎧を纏うかのようだったのに、自覚時の急変ぶりが、なんだか読み手を放置した感じがした。気持ちを秘めてヒロインは一線を越えたが、この後のヒロインの暴露と彼から離れる目的で構築した理屈が、私には噛み合ったとは思えなかった。
ピアズとのことで仕事中に気もそぞろだったり、抗おうとしたと散々書かれてはいても、結局はすぐピアズに腕を回したりと、本当にこれまで男性を遠ざけてきたんですか?、と言いたくなるような積極性も続々、なんだかわだかまる。
法廷場面も脈絡を感じにくく、彼女の立場の悲劇性の投影があってもそれでも、描写されたヒロインの2回の現場見学は一体何だったと言うのだろう。社会科見学?アレックスさんとの一件も、嫉妬描写を挟みたかった?としか。
生母のやり方に反発、異性をずっと遠ざけてきたヒロイン、素直じゃないのはそこは彼もお互い様の為、百歩譲るとしても、養父母の影が薄かったのは、どうも余りヒロインの背景描写の奥行きが感 じられなかった。
血が繋がっていても、その母親にしてその娘、という事を全編で否定にかかっているからこその、ヒロインの受け入れられようの温かさ。その文脈を意識してヒロインとピアズ、ということも意図されたのだろうか。ヒロインの、自分は婚外子との罪悪感その他の渦巻く感情を見事に洗い流す、ドーセットでのハーヴィー、グレシャム側のリアクション。ちょっと、セリーナでなくともそこに意外感がある。
国(日本は許容されてるが)や地域、また、州単位?でも、是非の分かれるという、血の近い間柄でのメイン二人を設定して、結ばれさせた作者の意思は、人は一人一人、と言っている気に強くさせられた。
スッと入ってくる表現で、言葉に回りくどさがなくていい。
二人のシーンが、シチュエーションとして納得できないことが多かった。彼がヒロインに迫る状況は、強引な男らしさなんてものではなくて、力ずくの強制猥せつでは?
最後のやり取りなど特に合鍵いいの?としか。
その為、この星数で。
高評価並ぶ中で水を差してすみません。
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