怪我で片目を失ったトラヴィスと事故で言葉を失ったドリューのお話。トラヴィスがドリューに出会い、初めてかけがえのない存在として自覚するまでのストーリーがトラヴィス目線でつづられています。
2人とも失ったものがあるせいか相手を思い遣る気遣いが
温かく、こちらの心まで潤ってきて優しい気持ちになりました。喋れないという意味の「Speechless」、最初はドリューの事を指しているのかなと思いましたがこの作品では「言葉はいらない」という意味も兼ねてるんですね。どんな素敵な言葉よりも、ドリューにはトラヴィスが必死で伝えたジェスチャーの方が誠実で雄弁だった。その様子を思い浮かべると自然と目頭が熱くなり、何度もその場面を読んでしまいました。
ベリ子さんのイラストも良かったです。これを機に、海外小説の短編をもっと読みたくなりました。
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