中学生14歳ヒジリと19歳カイネの話で、後半はその10年後。小説。久我さん好きでヨミホで読めるのを順番に読んでます。今回はイラスト樹さんで、なかなか聖とカイネのイメージが湧かなかったけど挿絵や表紙に助けられました。久我さんの小説は何冊か読ん
でるけど、本作は終始暗めで、常に曇りがかかって暗雲立ち込めてる雰囲気で、珍しいな?他の作品はも少し明るい雰囲気だった気が…。14歳聖がカイネを救いたくてあがき、でも現実を目の当たりにし、自分の非力を思い知り、それでもできることをやっていく意思の強さには心打たれるし、非力だった子供が力をつけて成長していくのは読んでてゾクゾクする楽しさがあった。力といってもスパダリになって大逆転でカイネを救うわけでなく、地道に生活力を身につけて、ただひたすらカイネだけが好きという変わり者で。対するカイネは辛すぎる境遇に生きてくだけで精一杯で、ヒリヒリする空気がずっと続いて、あまりカイネの感情は見えない。レビューが少なく、どんな話なのか気になって読了したけど、サクサク読める感じではなく、じっくり読み込んでいく重めな話でした。
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