身も、心も、魂さえも捧げた――愛を約束できない美しき男に。
ジョーは姉妹同然に育った親友の死に思いを馳せ、摩天楼を見上げた。わが子のように思う親友の忘れ形見を養女にしようと、ニューヨークにオフィスを構える親友の兄キャメロンを訪ねたのだ。養子縁組をするには、キャメロンの同意が必要なのだが、敏腕弁護士である彼は、おいそれと署名をしない。それどころか、自分の予定にジョーをつき合わせたあげく、明日会社で署名するからと、今夜は彼女を自宅に泊めると言いだした。わたしが養母にふさわしいか見極めるため? それとも……?最高級住宅街にあるキャメロンの自宅へ向かうエレベーターの中、ジョーは急上昇する脈拍を無視しようと、ぎゅっとまぶたを閉じた。
■ロマンスの女帝リンダ・ハワードを彷彿とさせる才能を持つと賞された作家、ロクサナ・セントクレアの貴重な未邦訳作品をお贈りします。本作は『君がくれたメッセージ』と『消えない情熱』の関連作で、マクグラス3兄弟の長男、真面目な美男子キャメロンが主人公!