丸木先生と笠井先生のタッグなので絶対に読まねばと思っていた作品。やっと読みました。
もう10年くらい前の作品なんですね。良くも悪くも一度読んだら忘れられない不屈の名作ではないでしょうか。
あくまでもフィクションと割り切って読めない人
にはただただ胸糞だと思うのでオススメできない!!でも、個人的にはこのねちねちと歪んだ執着と容赦なさ最高!!
「義兄」も「なりかわり」も一応ヒロインへの愛は垣間見えるのが救いというか、むしろ狂った愛し方しかできないのが哀れというか、どこかヒーローを憎めない気持ちにさせる。そして愛情表現が斜め上に歪んでいてちょっと笑えてくる。
「義兄」はお兄様のSはサイコパスのSって感じ。ほんっとひでぇ男だよぉ〜まじでこわいよぉ〜。ヒロインは従順な大人しい子で頭と口の回るお兄様にあれよあれよと洗脳されて…非常に残虐で無念なラストなんですけど畳み掛けるようなすごいパフォーマンスで笑った(※全然笑うところじゃない)
「なりかわり」のお兄様は攻めても攻められても元気ビンビンだし、嫌われていると知りながらも健気にヒロインへ服とかお家とか贈り物もしたりしてわんこ要素もありなんだか可愛らしい人です。(すぐ邪魔な人を滅する狂犬で番犬でもある)
ヒロインは聡くて気高く美しい強メンタルの持ち主で、そんな揺るぎないヒロインを実は崇拝しているヒーローは折檻されても股 間膨らましたり舐め犬と化したりしてやっぱり可愛い。
旅館のお話は久々のヒロインの絶好調な女王様っぷりに、わんこもとても喜んでいる様子で二人でキャッキャッする甘さがあり、ほっこりしました。
欲を言えばどちらもその後の話が読みたい!
「義兄」は最悪無理心中もありそう。
「なりかわり」はなんだかんだヒーローは大事に大事にしそうだけどやっぱり振り向いてもらえないのかな。報われなくともたまにご褒美もらえるといいね。
丸木先生のほの暗く高貴な文体と匂い立つ汁気多めな濃密な絡み、トリッキーな展開、そして「この二人どうしようもねぇEND」に痺れたそこのあなた!BL作品ですが「アフェア」「霧の楽園」もオススメです。
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