主人公はアラ還の男。娘夫婦を従え初詣に北鎌倉へやって来たところ、かつて懇意となった部下の女との偶然の再会を果たす。その時はホテルまで一緒に入っておきながら、土壇場でキスもすることなく終わった両者だが、時を超えて再び巡り逢ったふたりは今度こそ
・・・となる。なるが、どこかちぐはぐ感が。寒風に耐え他に先駆けて咲く一輪の梅花の描写は可憐でつつましく、それでいて力強さを感じさせるが、物語と同化していないというか、白梅が白梅で終わってしまい、花と切り離されて描かれているのは今や人妻となった相手の女との営みのみ。女性がなぜ不倫を犯してまで過去の男とベッドインするのかといった心の揺らぎにも触れられず、モヤモヤが残る。星は2.5。四捨五入して3。
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