現代のパティシエが貧乏騎士爵家の嫡子ペイスとして転生した所から物語は始まります。
彼は年齢1桁の子供で、見た目の可愛さに反して中身はかなり腹黒い。年不相応な落ち着きと頭の良さで、敵を完膚無きまでにやり込めるのが痛快です。
英雄の父
の右腕として力を発揮し、武力・知力・魔法使いとしての能力に加え、前世の知識や柔軟な発想で貧しい領地をどんどん発展させていく様は圧巻で、一気に読んでしまった。
彼の行動原理は崇高な理想などではなく、単にお菓子を自由に作りたいという我儘であり、突き詰めると高価な砂糖などの製菓材料を得たいという目的のためだけに戦争に赴いたり政敵に対峙しているだけ、という徹底ぶりと、ペイスの無茶振りに振り回される部下達のやり取りが面白い。
また、この作者さんは物事を現代の常識や状況に例えるのがとても上手く、ペイスの破天荒ぶりがどれ位の規模か、又はいかに常識外れかなどがとてもイメージしやすい。この先も楽しみです。
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