全国30万姓から解明する苗字のルーツと歴史地理!――四月一日(わたぬき)、六月一日(うりわり)、三五月(もちづき)、十二月田(しわすだ)、三方一所(くつわだ)などの難読姓や、畭尾(はりお)などの難字姓の謎解きから日本の古代史を垣間みる。
●飲酒盃さん、飯酒盃さん ●一口さん、二口さん ●左右口さん、右左口さ ●瓜破さん、六月一日さん●颪さん、嵩さん
●鳴矢木さん、蕪木さん ●一尺八寸さん、三方一所さん ●目さん、耳さん、属さん ●十二月田さん、元日田さん
――あなたはいくつ読めますか、出身地がわかりますか。
●姓という姓もあり、苗字という苗字もある。
姓は、昔はカバネともいい、その家のランクを示したこともあるが、いまは苗字のこと。その苗字はもと苗氏といい、祖先のルーツを示す古い言葉。中世は名字ともいって、名田(みょうでん)を支配して威張っていた人の家名。その大きいものを大名(だいみょう)といった。名田もミョウデンなどとしゃれていったが、名のついた田だから、ナダでいい。このほうが、ほんとうの日本語だ。言い換えると「やまと言葉」。
苗字はだいたいこの「やまと言葉」でできている。訓で読んでいるのがそれだ。法務省は苗字を氏とよび、旧文部省やマスコミは名字の表記を使っているが、歴史的にみると苗字のほうが正しい。