読了後、思わず大きな感動のため息が漏れました。最高の1冊です。
娯楽性を重視した大衆向けの作品とは対照的に、この作品はまさに純文学的な要素をふんだんに含んだ芸術性重視の作品だと思いました。
物語設定が古い時代なので、時間の流れを感じられ
るものが、着物だったり、建物だったり、乗り物だったり、街の風景だったり、古い電報方法だったり、当時の時代背景に沿った古いものばかりで。なので、時の流れも自然とゆっくりと進んでいる感覚になって。そしてその古い時代背景を、ゆっくり流れる「季節」という現象と融合させながら、巡る四季とともに徐々に変化する坊っちゃんと松岡の心の動きを表現しているのかなと感じました。麻生先生の繊細で優しい画のタッチや細かい表情、心理描写も、この作品の雰囲気にばっちりだと思いました。
大好きな作品です。
BL AWARD 2017 BEST DEEP部門にノミネートされてます。
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