彼の誤解を解くというHQが大好きなパターンですが、その中にこのストーリーは自立と保護の一種反対のことを巡って父娘、幼い自分から年月を隔てヒロインが彼に認めてもらう迄の成長ぶりについて彼とヒロイン、幼少期の彼、箱入りだった彼女の空白の8年間の
体験などなど、多様な描写を散漫なくつぎはぎ感もなく入っているのに終わりまですっきり進みます。
なんだか、料理上手にやられてしまった、というような読後感。
彼の謝罪も、それまでの言動を悔いる場面をコマを割いて表してくれたあとのことだから、とても溜飲が下がるのです。
決定的な誤解の基は固い塊のままに8年残っており、復活愛でも二人の間にはいつまでも存在してました。。
このストーリーで、素晴らしいのは、証拠などなくても彼女を信じようとした、その結論に至るまでの彼の思考する姿。その決意のシーンがあるからこの作品の魅力が深まっています。
その上で、証拠出現からの懺悔。
愛していたことを自覚すると同時に信じることを選択している彼をストーリーに確認したとき、わたしはヒロインの幸せが見え始めて、また一方、親心を見つけヒロインが親との確執を別の視点に置き換えることができたとき、和解のようにわたしには見えて、物語のヤマ場が来ました。
二人がそれぞれの壁を越えたと感じるクライマックス直前は、本当に読者的に気持ちがいいところです。
星もう一個加えられるならこれはつけるな、と思います。
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