昔から「歩道橋」を遠くから眺めるのが好きな人間でした。
右から左から、上から下からすれ違って行く人の姿にドラマを感じストーリーの味を妄想するような。
『歩道橋』というタイトルと表紙絵の魅力に手に取らずにはおられず、しかもSALEと言
うタイミングに運命を勝手に感じましたww
7編の短編。
6つの恋。
秘めて、諦めて、静かにみつめるだけの恋。
手を伸ばせば手に取る事ができるはずなのに、それでも僅かな不可能を運命は選ぶだろうと思えるから。
恋は難しい。
歩道橋の距離感って、すれ違う人と人の距離もあるんですけどひとつ空に近い距離があったり地上とひとつ離れた距離だったり。
それを近いか遠いかを感じるのはそれぞれなんですよね。
主人公達の心の距離もそんな感じなんでしょうか。
もどかしい恋のお話はとても素敵。
とてもとても好き。
カタチになる恋の前の何色か分からないようなストーリーが読みたい時に。
じんわりと広がる余韻が良いですよ。
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