吉野朔実先生の作品に、数十年前、感受性豊かな中高生時代に出会うことができ、事あるごとに読み返す時間が幸せでした。言葉ひとつひとつが詩のようで、ノートに書き写していたことも。映画や小説がお好きな方で、社会人になってからはエッセー集もよく読みま
した。数年前に訃報を耳にして、先生はご自分の作品世界にふっと隠れられたような、そんな幻をみせてくださる素敵な作家さんでした。遺作となった当作品、もう新作を読むことができないと思うと寂しいです。たくさんの美しい言葉と絵を物語を遺してくださって、ほんとうにありがとうございました。
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