『きつねくん〜』がとても良かったので、こちらも読みました。
行方不明者を探す探偵のお話です。
失踪者それぞれに物語があり、面白かったです。
2巻で終わるのは本当に惜しいと感じました。
『きつねくん〜』、本作と読んで面白いという感
想とは別に、何だか妙に心をザワつかせるなぁと感じながら園田先生のツイッターを拝見していたら、『ライオン』というデビュー作が読めると知り読んでみました。
読んでみて、心のざわついた理由に辿り着いた気がしました。
アフタヌーン四季大賞を受賞したデビュー作『ライオン』他からなる短編集ですが、容易には描く事ができないだろう傑作だと思います。
これを読まずして、園田先生を語れないと感じました。
誇張も演出も中途半端なぬるさもなく、心の奥にグサグサ来てザワザワとしました。
シクシクと痛むのに、読んでいて温かくて救われました。
シーモアでレビュー出来なくて残念過ぎる。
日陰の苦しみと聞いて反応してしまう方は、必読です。
『きつねくん〜』のレビューで南吉を彷彿とさせると述べましたが、彼の人生も悲しみと苦しみでいっぱいであったことは想像に易いです。それでも南吉の物語からは、悲しさよりも優しさを多く感じます。明るい結末でなくとも、温かさが残ります。
園田先生の鋭いデビュー作から感じ取れる優しさと南吉とが結びつき、ある種の悲しみは優しさと同意義かもしれないと感じました。
園田先生、どの作品も本当に愛おしく感じます。
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