お見合い相手はかつて買収を狙った企業のトップの娘。互いに相手を目の当たりにしたら魅力に負けた。勿体付けて進む話の流れの中身は、決して取り立てて印象的な仕掛けがある訳ではない。
肉体の魅力を押し出してくるので、「居心地がいい」という説明が空
虚に読めないこともない。
それでも、「羨望や過大な期待といった目で僕をみてないんだ」「君は考えてもみないだろうけど、それがどれだけ僕の肩の荷を下ろしてくれるのか」というのは響いてきた。
それが、居心地の良さに繋がり、「君と一緒にいるとワクワクするのに寛いでもいるんだ」となるというわけか。それはそれで、見つけたんだね、良かったね、と。
ヒロインはヒロインで壁を乗り越えてやって来てくれた男性にとっくに陥落していたのだが、父親の会社と因縁の間柄の企業を率いる彼の懐に、単純に飛び込んでは行けない。
でも、彼は壁を壊してやって来た。素直にここまで愛されて幸せじゃないかと、なんだか体よく当てられちゃったな、という気持ち。
けれどもストーリーは拍子抜けするほど順当に外堀が埋められ、薄味の経過をたどる。
若き経営者の集まりのメンバーは美形揃いの独身揃い。お見合いに至るまでが頁数食っていてHQのミスターミリオネアのシリーズを連想する。または、求む結婚という名のビジネスのシリーズを。
ところがこちらは、軽いというか、それだけ?と思えてしまう展開でサクッと結末まで来てしまう。
なんか、コスパが悪かったと、思えてならない。
他のオークションを扱っている作品のレビューにも書いたことがあるが、個人的に人に値を付けるというところ、何となく人身売買に被り、奴隷市場の値付けのようでどこかわだかまりがある。
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