長年連れ添った夫に先立たれた吾妻と、二人の転居先の村に住む青年のお話。愛する人を一人残してしまったことに苦悩する吾妻の亡き旦那様は、吾妻が愛用している日傘にメッセージを送ることで毎日のように想いを伝えています。二人だけの秘密の会話。二人だけ
のささやかな幸せ。けれども旦那様はある時から吾妻にある指示を出すようになります。吾妻の一途で清楚な性格を誰よりも理解している旦那様だからこそ、どうすれば吾妻がこの先も幸せでいられるかを生前からずっと考えていたんでしょうね。旦那様にとって、最後の吾妻の幸せそうな笑顔が一番の餞になったんだろうなと思える素敵なお話でした。
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