いじめられっ子が、ある日意中の人に告白されて…。と、導入だけならよくあるラブコメ。実際のところは、紆余曲折の青春ヒューマンドラマ。
『稲中卓球部』を除く古谷作品は、どれも似通ってると思うけど、その中で本作が1番読み易かった。
学生と
いう共感し易い舞台をテーマに、古谷作品の魅力である、濃いリアクション芸・過剰な自意識・急転直下するシナリオが詰められている。
“芸術的”映画のキャストに抜擢されたり。通り魔と対峙したり。
突然の変化に立ち向かう主人公のもがきが、面白くも応援したくなる。
何気ない日常に多くのドラマが起こる今作は、スリリングなエンタメとして楽しめる反面、どこか自分の日常とかと比べてしまうリアルさがある。それが尾を引く面白さになって、読後も心に残った。
読めば、その独特な世界観を体感できるはず。
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