ヒロインジョーの深い愛で5星。
また、長男編の翻訳を刊行に漕ぎつかせた花津先生の強いプッシュに。長男編へのこだわりに。
敢えて言いたい。このケース翻訳者飛ばしてのコミカライズが良かったのでは?不可能だろうか?出版事情で翻訳者必須なの
だろうか?ストーリーの概略は先生自ら英語版で掴んでいたなら十分と思うが?
ストーリーはHQにはありふれた親権争い。ジョーが既に「母」も同然、全くの我が子の様に親友の遺児を育てている。
マクブライド兄弟の長男キャメロンは、キャリーに寄せる、余人に代えがたいジョーの慈愛深さを理解、彼女の言い分を考慮。
血縁者がこれだけ揃ってしかも既婚状態と来れば、彼女の立場は厳しいが、ここを戦う構図とせず、本作はあくまで二人のラブと、母子愛、3人の愛情醸成とに軸足。
となると、沢山ある同類型HQと似通う。血の繋がらぬ子を育てるヒロインで出来の良いHQコミックスはよく読んでいる。
親権を巡る会議で、彼の言葉が本書が最も言いたかったことであり、度々話の中でも提示されてきたテーマ。芯がある話でそれは強くていい。
誤解が招いた悲劇、当事者クリスティーヌもケイティも、本来得られる家族愛が遂にないままの不慮の死。ヒロインとその母の存在はどれだけその二人の不幸を救ったのか。ヒロインのキャリーへの愛は家族とは何かを強く示す。キャメロンはそこを身体で心で環境で理解した。
親権者を巡る福祉局の会議シーン、もう少し感情を揺さぶられても良かったな、との思いがくすぶる。亡くなったクリスティーヌとケイティ母子の無念さが浮かばれない。
愛しているからこそ起こった悲劇。そこに愛は足りなかったのではなかったが、捻れてしまった。
本書の「ケイティが幸せか?」との問いかけが素晴らしい。最重要なのに、なかなかそれを敢えてストーリー中ストレートに語られることが少ない視点。
只、彼がヤンキース戦観戦を趣味とするのを強調するのと、球場で印象深い出会い方するのとが、無理な組合せと感じる。
何故彼?、写真を見たのはコリンで?(説明あるが)、 亡きケイティの母がついには探せなかっところを、ジョーはあっさり辿り着く(記事)?
3作全て兄弟は対峙する立場にいながらヒロイン側につく。
登場人物のビジュアルの色気不足が多少気になる。顔とか服とか。花津先生の語りはいいのに、絵で物凄くよく損をしている(特に男性)。
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