初読み作者さん。元々「ジェン」を読みたくて同じ作者さんでセールになってたので、なんとなく読み始めたら!!!この作品すうっごく良いです。私、触手もオジ受けもあまり趣味ではないんですけど、もうそんなの関係なく泣きました。人外で最近読んだ別作者さ
ん「紅椿」のアンチテーゼ。あちらがどうやって共に生きるかを主題としていたら、こちらは不死を手にしてからが主題。
人魚に突然嫁にもらわれて不老不死となってしまったキヨ。プロローグは干支がひと回りした60年ぶりに人魚と再会するために海辺で待つシーンから。何をしても死ねない身体になり、人が死んでいくのをただ眺めていくだけのキヨは、いつしか死を求めるようになる。
お話はシリアスなんですけど、細かいコマの人魚の表情、キョトンとしたとぼける顔や触手の動きがコミカルで可愛かったりします(触手を可愛く思う日がくるなんて!)。約束の年が庚午なので、1930年ですね、その時代ものの描き込みも凄くて、一コマ一コマ見逃せないです。もうねー、エピローグのラスト3ページがすんばらしくて泣けました。詳しく語らずとも、あるかもしれない未来の姿とずっと繋いでる手と手。
できれば見開き大きな画面で読むとよいかも。スマホだと小さいし見開きページが見にくいです。
セールなのにレビュー少ないのが残念。ほんとオススメです。触手に怯むことなくもっと読まれてほしいですねー。読み終わるころには、なんて便利な触手なんだーと思うようになりますから。電灯もすぐ消せるし!
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