TVプログラム英国版「鑑定団」にて、鑑定士がジャパニーズ・ウキヨエを前にかなりいい加減な事を言っていました。
バブル時代に自治体はマリリン・モンローを何億で買い、銀行は「ひまわり」を何十億で買っていました。
人が決める美術品の価値、骨董の真
贋など所詮その程度のものか。軽い諦念を持っている方が本作を楽しめるように思えます。作者自身、馬鹿らしいアートビジネスに思うところがありそうなので。時折実在の団体等をあからさまにカリカチュアライズして使っているのも、その現れかと。
『ゼロThe man of the creation』(里見桂/愛英史)が「真作の創造者」なら、本作は「贋作のスペシャリスト」。いずれも荒唐無稽な作風ですが、前者は主人公ゼロの熱情に視点を集め、後者は主人公フジタを含めた人間達の濃やかな感情を柔らかく掘り下げています。本作が青年誌掲載ながら多くの女性ファンを惹き付けている理由の一つでしょう。
最終回もラブストーリーらしい落ちが付いて、きれいに収まりました。職人らしい息の長い漫画家さんによる良作です。
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